ディープテック 世界の未来を切り開く「眠れる技術」
ディープテック。
新興国に眠る課題、日本企業に生まれる新たな活躍の舞台
ディープテックってなに?聞いたことが無いんだけど。
ディープテックとはテクノロジーを使い、根深い課題(ディープイシュー)を解決していく考え方、もしくはその活動のことだよ。
第一章まで立ち読み可らしい。興味を持ったら第一章を立ち読みしてみて。
ディープテック
著者:丸 幸弘
尾原 和啓
出版:日経BP
読書時間:1~2時間程度×2回
目 次
本の内容
ディープテックとはテクノロジーを使い、根深い課題(ディープイシュー)を解決していく考え方、もしくはその活動を示します。
実例をあげます。
パーム油を搾ると搾りカスが出る。この搾りカスがメタンガスを発生させてしまっていました。
そこでその搾りカスにある素材を加えることで「マンナン」の抽出が可能となりました。
搾りカスからあらたな商品が生まれている例です。
その他、ディープテックの実例として「液体で空気をきれいにする取り組み」や「ドローンから弾丸を発射して種植えを行う取り組み」等多彩な実例を紹介されています。
その中で個人的に面白いと思ったのは「はちみつから水分を抜く取り組み」です。
熱帯地方で生産されるはちみつは水分量が多くそのままでは欧州に輸出出来ないらしく、脱水する必要があるのだそうです。
外から見ているだけではわからない、現地に関わったからこそ見いだせた根深い問題(デープイシュー)だなあと感じました。
この本では日本にある活用されていない「眠れる技術」を発展著しい東南アジアの根深い課題(ディープイシュー)を解決することに用いることを提言されています。
ディープテックの領域で欧米に後れを取った日本企業が優位性を発揮する可能性を秘めていると。
ディープテックは日本再生の起爆剤となるかもしれないですね。
なお、この本は1章は立ち読みOKという太っ腹です。
購入を躊躇されている方はぜひ書店で1章を立ち読みしてみてください。
感 想
この本を読んで大きな疑問が生じました。
「眠れる技術」を世界各国の社会問題を解決する手段とどう結び付けていくのか。
そもそも結び付ける発想自体が難しいのではないか。
という疑問です。
この事は落合洋一さんも書籍中のコラムで指摘されています。
枯れた技術の活用が苦手な日本がいかにして枯れた技術を活用していくのか?
実はこのことが一番の課題ではないかと。
ここに大きなビジネスチャンスがあるはずで、日本の企業は欧米の企業に負けないで欲しいなと思いました。
ディープテックは実例として挙げられている取り組みもまだ始まった段階であり、これからの分野と感じます。
ONEアジアが世界の中心となって欲しい。
日本には頑張って欲しいと思います。
改善して欲しいなと思った点としては
発行は日経BPであり読者を一定の知識層としている為なのか
キーワードに横文字が多く、読書意欲を削ぐ。読みにくいという事です。
もっとかみ砕いて分かり易くして欲しいと思います。
私のような文系脳・横文字アレルギーの人にだけ当てはまることかも知れないのですが。
また、アフターデジタルは自分の生活と密接に関わりがあり想像しやすかったのですが、ディープテックはどこか他人事の様に感じてしまいます。
これは私が国内の営業職であることが関係していると思います。
逆に、技術者や経営者、海外での事業に関心を持つビジネスマンには受け入れ良いでしょう。
ターゲット層はこの層なのでしょうね。
最後に
最後に、あとがきは必見というとこを付け加えたいです。
やっぱり新しい事を生み出すのは「情熱」だよねー。
と頷いてしまいました。
また、「ディープイシューに出会う5つの方法」はぜひ読まれてください。
自分の仕事が行き詰った時に使えると思います。
内容はぜひ本をご覧ください。
ネタばれをしない感想文を目指していますので。
本を紹介頂いた方
今回、本をご紹介頂いたのはこの方。
ディープテックの共同著者の尾原和啓さんです。
著者ご本人から依頼されびっくりです。
以前、アフターデジタルの感想文を書いたのですが、それをみつけて「ディープテックの感想も書いてね」とリプされました。
尾原さん、約束通り書きましたよ!
あれ?と思ったところがあればご指摘くださいね。
利害関係全くなしですので、気楽に書きましたので。
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